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スタッドレスタイヤを夏に履きつぶすのは危険!過去の事故と危険な理由を解説

スタッドレスタイヤ-夏-履きつぶし

スタッドレスタイヤを夏場で履きつぶすことについて、多くのドライバーが疑問に思っていることでしょう。特に次の冬が来る前に新しいスタッドレスタイヤを購入する予定の方にとって、今のタイヤをできるだけ使い切りたいと考えるのは自然なことです。しかし、スタッドレスタイヤを夏場に使用することには多くのリスクが伴います。本記事では、その危険性と影響について徹底的に解説します。

 

スタッドレスタイヤの履きつぶしとは 

シーズンに関わらずスタッドレスタイヤで走行すること 

スタッドレスタイヤの履きつぶしとは、春になっても夏タイヤに交換せずそのまま使用することを指します。通常、スタッドレスタイヤは3〜4シーズン使用されることが一般的ですが、新しいタイヤを購入する前に、今あるタイヤを最大限に活用したいと考えることがあります。

 

スタッドレスタイヤを履きつぶす理由 

履きつぶしにはいくつかの理由があります。例えば、交換の手間を省きたい、コストを抑えたい、またはタイヤの状態が良いと感じる場合などです。しかし、夏場にスタッドレスタイヤを使用することには多くのリスクが伴います。具体的には、ドライやウェット路面での制動力の低下、タイヤの変形、劣化や摩耗の進行、燃費の悪化などが挙げられます。
そのため、スタッドレスタイヤを履きつぶすことは一見経済的に見えても、安全性やパフォーマンスの面で多くの懸念があるため、慎重な判断が必要です。

 

スタッドレスタイヤを夏に使うと法律や車検ではNG? 

スタッドレスタイヤを夏に使用すること自体は、法律で禁止されているわけではありません。車検の基準にも直接関係することはありません。
ただ、スタッドレスタイヤの履きつぶしをすることで安全性が保てず、車検が通らない事態や事故を起こすリスクがあります。

 

スタッドレスタイヤを夏場で履きつぶすことのリスク 

スタッドレスタイヤ-夏-履きつぶし
 

ドライやウェット路面での制動力が低下する 

スタッドレスタイヤは、雪や氷の上での優れたグリップ力を発揮するように設計されていますが、そのためにドライ路面やウェット路面では制動力が大きく低下します。特に、緊急ブレーキをかけた際には、通常のタイヤに比べて制動距離が長くなり、思わぬ事故のリスクが高まります。また、スタッドレスタイヤのゴムは柔らかく、夏の高温にさらされるとさらに柔らかくなり、これがさらなる制動力の低下を引き起こします。このため、夏場に使用することで安全性が大きく損なわれる可能性があるのです。

 

タイヤが変形しやすく安定性が損なわれる 

スタッドレスタイヤはその柔らかいゴムが特長ですが、夏の高温にさらされると、タイヤがたわみやすくなります。このたわみは、車両の安定性を大きく損なう要因となります。特に高速走行時には、ハンドリングが悪化し、車両の挙動が不安定になることがあります。また、たわみが大きくなることでタイヤの接地面積が変化し、均一なグリップを得られなくなります。これにより、運転中に車両のコントロールが難しくなり、突発的な状況に対処するのが一層困難になります。このため、事故のリスクがさらに高まることは避けられません。

 

高温の路面で劣化や摩耗が進みやすい 

高温の路面での走行は、スタッドレスタイヤにとって非常に過酷な条件となります。夏の高温にさらされると、タイヤのゴムは劣化しやすくなり、摩耗が急速に進行します。特に、長時間の走行や高速度での運転は、タイヤの寿命を大幅に縮める要因となります。摩耗が進むことで、次の冬には十分な性能を持つタイヤが使用できなくなってしまう可能性が高くなります。結果として、安全な冬季運転を実現するために、新しいタイヤを購入する必要が生じ、経済的な負担が増えることになります。

 

夏用タイヤに比べて燃費が悪化する 

スタッドレスタイヤは、柔らかいゴムと特殊なトレッドパターンを持つため、夏用タイヤと比較して転がり抵抗が大きくなります。この転がり抵抗が増すことで、エンジンにかかる負担が増加し、燃費が悪化します。同じ距離を走行するために必要な燃料が増えるため、結果的に経済的損失が大きくなります。長期的に見ると、燃料費の増加は予想以上の出費となることがありますので、スタッドレスタイヤの夏季使用は避けることをお勧めします。

 

スタッドレスタイヤと夏タイヤの性能比較 

スタッドレスタイヤ-夏-履きつぶし
 

制動力の違い 

スタッドレスタイヤと夏タイヤの最も顕著な違いは、制動力にあります。スタッドレスタイヤは、特に氷雪路面でのグリップ力と制動力を重視して設計されているため、寒冷地での走行に適しています。しかし、その設計の特性上、ドライ路面やウェット路面での制動力は相対的に劣ります。具体的には、緊急ブレーキをかけた際の制動距離が長くなり、事故のリスクが増加します。
一方、夏タイヤは高温の路面に最適化されており、特にドライやウェット路面での制動力とグリップ力を最大限に発揮するように設計されています。このため、夏季の運転では夏タイヤが圧倒的に安全であり、安定した走行を提供します。各メーカーのテストでは、同じ条件下での制動距離を比較すると、夏タイヤの方が短く、安全性が高いことが証明されています。したがって、季節に応じたタイヤ選びは非常に重要です。

 

燃費性能の違い 

燃費性能に関しても、スタッドレスタイヤと夏タイヤには大きな違いがあります。スタッドレスタイヤはその構造上、転がり抵抗が大きいため、走行時のエネルギー消費が増え、燃費が悪化しやすいです。このため、長距離走行や日常的な運転において、コストがかかる可能性があります。
一方、夏タイヤは転がり抵抗を小さく抑えるように設計されており、その結果として燃費性能が向上します。特に、高速道路での走行が多い場合、夏タイヤの方が燃料コストを大幅に削減できることがあります。これは、経済的な観点からも大きなメリットです。さらに、夏タイヤは熱による劣化が少なく、長期間の使用に対しても耐久性が高いという特長があります。
このように、スタッドレスタイヤと夏タイヤはそれぞれ異なる性能特性を持っており、使用する環境や目的に応じて適切なタイヤを選ぶことが重要です。

 

スタッドレスタイヤの履きつぶしによる交通事故の事例 

 

大樹町で軽乗用車が対向車線にはみ出て4名死亡した事故 

スタッドレスタイヤを履きつぶしていた軽自動車が道路のセンターラインをはみ出してしまい、対向車に衝突した事故です。
軽自動車が車線はみ出したか 大樹4人死亡事故 | 十勝毎日新聞電子版-Tokachi Mainichi News Web

 

JAFによってテストされたスタッドレスタイヤの危険性 

JAFが雨の日にノーマルタイヤとスタッドレスタイヤのブレーキテストを実施した例です。このテストから、スタッドレスタイヤはゴムの柔らかさが原因で制動距離が伸びることが分かっています。

 

タイヤの購入や交換を安くする方法 

これまでの話の通り、スタッドレスタイヤを履きつぶすことは危険な行為です。
とはいえ、夏用のタイヤを購入や交換にはお金がかかってしまいます。
そこで、タイヤの交換や購入を安くする方法として、ネットでのタイヤ購入をお勧めします。
ネットで購入したタイヤを持ち込み交換してもらうことで、店舗でタイヤを買って交換するよりも数千円~数万円以上お得になる場合があります。

 

まとめ 

スタッドレスタイヤの夏場での履きつぶしは、多くのリスクと影響を伴います。ドライ路面やウェット路面での制動力の低下、タイヤのたわみによる安定性の欠如、高温路面での劣化・摩耗、そして燃費の悪化などが主な理由です。これらのリスクを避けるためには、夏タイヤを選ぶことが最も安全かつ経済的です。